日本臨床鍼灸懇話会解散のお知らせ

 令和6年9月吉日

日本臨床鍼灸懇話会
会長 尾﨑 朋文
役員一同

謹啓
残暑の候、時下ますますご清祥の段、お慶び申し上げます。皆様には平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
さて、先般お伝えしておりましたが、誠に遺憾ではございますが、日本臨床鍼灸懇話会は令和6年8月31日をもちまして解散いたしました。
つきましては、本会発足の経緯と業績、並びに解散の理由についてこの場をお借りして述べさせていただきます。

本会の発足の経緯と業績。
 懇話会は、遡ること1960年(昭和35年)に石川日出鶴丸先生、太刀雄先生の提唱する内臓体壁反射理論と皮電計によって鍼灸の科学化を図ることを目標に発足した「日本針灸皮電研究会」を起原としています。1973年(昭和48年)には鍼灸の一層の科学化を目指して「日本針灸皮電学会」と改名し、さらに1983年(昭和58年)には日本の鍼灸界に先鞭をつけるべく「日本臨床針灸懇話会」と改名し現在に至っています。
以来本会では、症例集積委員会を始め、流派の違いを超越し討論するには共通言語の必要性を提唱し、鍼灸においての現代医学に基づく診断や理学的所見、共通カルテを提案しました。それらは出端昭男氏を中心に鍼灸業界に広がり、今や鍼灸教育現場での常識となっています。
また、米山義氏、木下伸一氏、木下滋氏をはじめとする先輩諸兄によるシリーズ『鍼灸院診断学』は、頸肩腕、腰下肢痛など整形外科領域の疾患を診ることの多い開業鍼灸師にとって一つのバイブルとなるもので、言うまでもなく本会の鍼灸医学への功績です。

解散の理由
 本会は学術的理念の一つに、「臨床鍼灸師の資質の向上」を掲げ、その切磋琢磨する場として年1回の学術集会を開催し、それは58回を数えました。当初は、大阪、長野、石川、東京各都市を中心に、続いて仙台、福岡と地方へも広がりました。しかし、時代の変化は学術集会においても否めぬ状況にあることは多くの先生方が知るところと思います。
そこで、理事会として、鍼灸業界にとって新たな課題の発掘について議論を重ねてきました。結論としては、役員の高齢化とアイデア不足、継承者不足は否めず、本会を解散することを決定いたしました。
これまで本会活動にご協力いただきました皆様に衷心より感謝申し上げます。
まだまだ連日猛暑が続いております。どうぞ体調を崩されませんようご自愛ください。
皆様の今後益々のご活躍を心よりお祈り申し上げます。

謹白

「訃報 宮川隆弘先生ご逝去」

宮川先生
 本会理事の宮川隆弘先生が、去る令和3年8月27日に逝去されました。
 宮川先生は長年、治療家として鍼灸臨床の発展と後進の育成に尽力されました。また本会役員としても学会運営にご尽力いただきました。ここに感謝の意を表しますとともに、心よりご冥福をお祈りいたします。
 なお、葬儀はご親族により8月28日 (土)にすでに執り行われました。


 本会としましては、先生のご逝去を悼み、会員の皆様から追悼文を募集したいと考えております。詳細は決定次第、本会ホームページに掲載する予定ですので、どうぞよろしくお願い致します。

略 歴
1964年  岐阜県生まれ
1987年  森ノ宮医療学園専門学校(旧大阪鍼灸専門学校)卒業
1988年  大阪大学外国語学部(旧大阪外国語大学) Ⅱ中国語学科卒業
1988年  医療法人木津川厚生会住之江鍼灸センター勤務
~1992年 初代所長 荻原正識氏に師事
1992年  半年間中国へ遊学
1993年  森ノ宮医療学園専門学校勤務、
~1998年 米山義氏、木下伸一氏に師事
1996年  明治東洋医学院教員養成科卒業
1998年  鍼灸宮川院長
     日本臨床鍼灸懇話会理事
2021年8月27日 逝去(享年57歳)
業績/日本鍼灸研究会、日本臨床鍼灸懇話会等、執筆、発表論文多数。

第58回日本臨床鍼灸懇話会全国集会 大阪大会 写真集

大会テーマ:「鍼灸院診断学再考 -誤診による風評被害からの回避-」

会期:令和元年11月30日(土)~12月1日(日)

会場:学校法人 森ノ宮医療学園専門学校 本校舎 7階講堂

定例研修会のお知らせ

日本臨床鍼灸懇話会定例研修会のお知らせ 1.19


-臨床ミニ報告-

普段の臨床で気がついた様々な視点や短期経過など、所見が充分でなくても議論の話題になる内容を報告する。今回は頚部の脊柱管狭窄症など2題予定。

 

- 症例報告 -
「仙骨骨折に伴う坐骨神経痛の一症例」-坐骨神経刺鍼点A点、B点、C点の解剖学的見地と実技を含む-

森ノ宮医療大学 教授 尾﨑 朋文先生

坐骨神経痛を訴え鍼灸を行ったが、あまり効果がなく、整形外科を紹介。骨粗鬆症と仙骨2ヵ所の骨折を指摘された。鎮痛剤の服用と坐骨神経刺鍼点A・B・C点で定期的に鍼灸治療を行い、痛みは術後2~3日はVAS 10⇒3で楽であるが、効果が続かない症例。病態把握の大切さと坐骨神経刺鍼点について皆さんと意見交換をしましょう。


日 時:令和2年1月19日(日)PM 13:30~16:00
場 所:森ノ宮医療学園専門学校(1階102教室の予定)
JR・大阪地下鉄「森ノ宮」駅下車 徒歩8分
参加費:一般¥2,000、会員・学生¥1,000


〈次回は令和2年2月16日(日)に開催予定〉
問い合わせ:日本臨床鍼灸懇話会事務局
〒564-0032 大阪府吹田市内本町1-1-6米山鍼灸院
Tel・Fax:06-6381-6656

機関誌「臨床針灸」

出版書籍
「刺鍼基本テクニックのマスター教本」-木下伸一から学んだ師弟教育