第55回日本臨床鍼灸懇話会全国集会大阪大会

第55回日本臨床鍼灸懇話会全国集会大阪大会

大会テーマ:「鍼灸臨床学への挑戦」―喘息、鍼灸師は東西両医学で捉えるー

会期:平成28年11月26日(土)~27日(日)

会場:学校法人 森ノ宮医療学園専門学校 アネックス校舎


第55回全国集会開催にあたり

日 本 臨 床 鍼 灸 懇 話 会 会 長 尾 﨑 朋 文

第55回日本臨床鍼灸懇話会全国集会を11月26日・27日の両日、森ノ宮医療学園専門学校にて開催するにあたり、一言ご挨拶申しあげます。

日本を取り巻く社会環境は、先のみえない混沌とした時代になっています。それに伴い、鍼灸界においても矢野先生らの鍼灸の年間受療率は4%台と年々減少している状況が報告されています。一方、鍼灸の養成施設は専門学校や大学が増え過ぎ、ほとんどの学校が定員確保に奔走し、国家試験の合格に照準を合わせることで追われています。この状況では、下手すると国家試験は通ったものの、鍼が打てない、灸がすえられない鍼灸師が増える現状で、業界の方々からは、養成校の質の低下を憂いています。教育関係者も業界関係者もともに知恵を絞り、早急の課題として、鍼灸師の質の向上を図り、鍼灸の認知度アップを図る必要があります。

鍼灸師の質の向上については、本会の初代会長の故代田文誌先生や創始者のひとりである故米山博久先生らは、半世紀前から提唱されていました。その当時から鍼灸師は、医師やコメデイカルとディスカッションができるようにしなければならないと提唱されました。また、没後3年になる本会にご貢献いただきました川嶋和義先生はじめ本会の多くの先生方も、鍼灸師の質の向上について情熱を捧げられました。

本会は、治療に関しては東も西にも固執せず、ただ、ベースとして鍼灸ができるかできないかの病態把握の重要性をベースにしています。つまり、より正確な医療が必要であり、これは患者さんの病態把握を正確にするための診察やベッドサイドでの理学検査が重要と考えています。

今回は、鑑別の重要性について2題、また、「喘息」を中心に重篤なものを見逃さない実技などの発表があります。また、治療では「喘息」をテーマに現代的なアプローチ、中医的なアプローチなどの発表が組み込まれています。

会員の先生方はもちろん、学生諸君の多数の参加を期待しています。

最後に、今回講演をご快諾くださいました先生方、本会の後援団体の皆様、大会運営を統括いただきました鈴木信実行委員長、さらにスタッフの皆様に改めてお礼申し上げます。

第55回大会の開催にあたって

第55回全国集会実行委員長 鈴木 信

本会の全国集会は皮電研究会の頃から数えて55年の歴史を踏んで参りました。

皮電計を使って「鍼灸の科学化」を目指し、懇話会と名称を変えてからは「鍼灸師の質の向上」をその目的としています。変わらぬ思いは「望真の灯」です。患者さんという精神を持った有機体が抱える身体的諸問題に対し、「見立て(診断)はこれで良いのか」「治療方法はこれで良いのか」「経過観察はこれで良いのか」。本会の創始者達も常に「真」を求め続けました。

今回は内科疾患である喘息をテーマに、西洋医学の立場からは福島県立医科大学の鈴木雅雄先生、東洋医学の立場からは森ノ宮医療学園附属みどりの風鍼灸院の于思先生にご講演頂きます。患者さんを東西両医学の視点から見つめる重要性は、本会初代会長代田文誌先生の臨床理念でもありました。ご参加の先生方にとって、どちらかが苦手という方もいらっしゃると思いますが、苦手な分野からも臨床のヒントになる視点をお持ち帰り頂けるのではないでしょうか。

近年、鍼灸受診が増加傾向と思われるスポーツ選手や、「骨折ではない」と画像診断された患者さんが、経過の中で重篤な障害を持っていた、それらは何故見逃されたのか、見逃さない為に我々は何をすべきか。このようなテーマで森ノ宮医療学園専門学校鍼灸学科学科長の松下美穂先生と、森ノ宮医療学園附属みどりの風クリニックリハビリテーション科の大森淳次先生にご講演頂きます。また、本会顧問の米山榮先生のクリニックからは刺鍼時の組織損傷について最新の知見を報告頂けます。
例年、濃厚な二日間となる本会の全国集会です。「望真の灯」を持つ臨床鍼灸師の先生方に、様々なヒントと解答をご用意してお待ちしております。

第1日目11月26日(土)

12:00 受付・開場

12:45 開会式

13:00
<研究討論1>座長 鈴木 信 , 森  優也

「重篤な病態を見逃さない~見逃されやすい下肢のスポーツ傷害~」

(学)森ノ宮医療学園専門学校

鍼灸学科  学科長 松下美穂

14:10
<教育講演1> 司会 佐野  善樹

「喘息に対する中医学的なアプローチの再考」

(学)森ノ宮医療学園附属
みどりの風鍼灸院   于 思

15:50
<症例討論> 座長 鈴木 信

「心理的ストレスと湿邪の影響が推察された哮喘証の治験例」

懇話会 富山 佐野善樹

16:25
<研究討論2>座長 鈴木  信 ,  森 優也

「鑑別が困難な上肢の外傷」
(学)森ノ宮医療学園附属みどりの風クリニック
リハビリテーション科 大森  淳次

17:45 懇親会

第2日目 11月27日(日)

9:00 総会

9:30
<特別講演>  司会 尾﨑 朋文

「成人喘息と鍼治療」
福島県立医科大学会津医療センター
漢方医学講座 准教授 鈴木雅雄

11:10
<教育講演2>司会  森 優也

「開業鍼灸師に必要な「喘息」の診かた考え方について
-特に成人気管支喘息を中心にして-」

(学)森ノ宮医療大学 保健医療学部
鍼灸学科 教授 坂本豊次

12:50
<診察実技> 司会 森 優也

「喘息疾患における聴診実技」

懇話会 大阪  鈴木 信

13:20 昼食 休憩

14:20
<研究報告>司会 辻丸 泰永

「杉山流管鍼法の押手に対する臨床実践からの一考察」

懇話会 岐阜 宮川隆弘

15:20

<研究発表>司会 遠藤 彰宏

「微小組織損傷としての鍼治療の研究
―デジタル顕微鏡による経時的観察―」

米山クリニック 森 香り

学校法人 森ノ宮医療学園専門学校 アネックス校舎
住所:大阪府大阪市東成区中本2-5-41

地下鉄中央線『緑橋』駅(A-③号出口)下車、徒歩約6分

JR『森ノ宮』駅、地下鉄『森ノ宮』 駅(⑤号出口)下車、徒歩約12分

1.参加登録
1)参加登録方式
事前参加申し込み、又は当日参加申し込み

2)参加登録方法
事前参加申し込みの場合は、郵便振替用紙にてご入金下さい。
当日参加申し込みの場合は、当日受付にてお手続き下さい。

3)参加登録費
※事前申し込み(11月16日水曜日まで受付)

<会員> (事前)    6,000円 (当日)  8,000円
<一般> (事前) 10,000円 (当日)12,000円
<学生> (事前)   6,000円 (当日)  6,000円
<全日本鍼灸学会会員><大阪府鍼灸師会会員>
     (事前)   8,000円 (当日)10,000円

<大会二日目お弁当(お茶付)>       1,080円
※お弁当は事前申し込み時のみ受付です。当日の販売はございませんので、ご注意ください。
※学会開催場所周辺は、昼食を食べることができるお店が少ないため、お弁当を注文するか、事前に購入していただき会場内で昼食をとることをおすすめいたします。

<懇親会についての案内>

今大会の懇親会は今までとは違い、新しい方法を試行いたします。従来はホテル等で行っておりましたが、今回は講演会場の一部を使用しケータリング(バイキング方式、一部立食)にて行います。懇親会場までの移動の時間と手間を省き、大会にご参加頂いた方に一人でも多く、講演内容を話題に「懇話」頂きたい、のが理由です。大会1日目の講演終了すぐから、同じ会場で食事をお摂り頂きながらご参加の先生方、演者の先生方と議論の続きを展開頂ける空間を提供できれば幸いに存じます。「懇話会」らしさが引き立つ「懇親会」にしたいと考えておりますので、なにとぞご理解と、ご参加をお待ちしております。

日  時:11月26日(土)大会1日目終了後 17:45開始

会  費:4,000円

2.お申し込み方法
1)事前申し込みの方(11月16日水曜日まで受付)
郵便振替用紙にて、下記の指定口座までお振り込み下さい。
【加入者名:日本臨床鍼灸懇話会 全国集会】
【口座番号:00930-6-101602】

締切間近で申し込みの場合入金通知が事務局に届いてない場合があります。当日振込証をお持ちください。

3.当日受付
森ノ宮医療学園専門学校 アネックス校舎3F大会受付にてお手続き下さい

1)参加章(ネームプレート)を当日受付にてお渡し致します。
2)参加章のない方は、会場には入場できません。
大会期間中は大切に管理をお願い致します。
3)一度納入された参加費は、理由の如何に関わらず一切返金できません。
4)参加費等払い込み受領証は大会当日まで大切に保管下さい。